「平成の怪物」の引退(令和3年10月25日)
「平成の怪物」と言われた松坂大輔さんが引退しました。
ずいぶん前の事ですが、アメリカから帰国してソフトバンクホークスに入団されたころ、福岡でのお住まいを探されたことがあって、大濠公園の近くにあった弊社管理の分譲賃貸マンションをご紹介しました。家主様のご意向もあって、私も内覧に立会ったのですが松坂さんと奥様と、たしか球団の方も来ておられました。
少し狭いという事で、あいにく申込みにはならなかったのですが、帰り際に「いいお部屋ですけどね・・・」と残念そうな表情をされていたのは、おそらく松坂さんの当方に対する気遣いというか、優しい人柄の表れでしょう。
その後西部ライオンズに移籍して今回の引退になったわけですが、ファンや家族や多くの善意の人達に囲まれてはいても、おそらく一人で川の流れを見つめて暮らす様な内省の苦しい年月の経過の後、最後は引退という結論を出されたのでしょう。
もう無理です、これが今の自分の実力です、と訴える様に痛みをこらえて最後のマウンドに立たれたのは実に誠実な決断でした。形式的な引退セレモニーと分かっていても、110㎞台の5球をなんとか投げ終えて降板する姿をみてやっと、国民もファンも、そして私も「平成の怪物」の引退を納得し、受け入れたのです。